社説 政調会長代理発言 国家的事業の原点忘れるな2011年11月18日 Tweet 2012年度予算編成の重要課題を話し合う「政府・与党会議」で、民主党の桜井充政調会長代理が沖縄科学技術大学院大学について「別に沖縄にある必要性がない施設もある」と述べ、沖縄の振興施策に直接結び付かない現行の研究路線に疑問を投げ掛けた。 沖縄振興ありきならば、その疑問はある意味で正しい。だが、ノーベル賞受賞者ら世界最高水準の頭脳を集めた教育研究機関として、日本や世界の科学技術の向上に寄与するという開学の趣旨を鑑みれば「木を見て森を見ず」と指摘せざるを得ない。 大学院大学構想は01年6月、尾身幸次科学技術担当相兼沖縄担当相が提唱した。当時を振り返る。 予算や人事面の制約など柔軟性に乏しい既存の大学の仕組みでは、優秀な頭脳が海外に流出し、最先端研究における国際競争力の低下に歯止めがかからない。自由度の高い