南アジアのスリランカは経済危機に陥り、抗議デモの激化によって政治危機も深刻化している。そこには長年、大統領などの要職を握ってきた一族支配の弊害がある。海外からの資金に依存した場当たり的な経済運営が破たんするリスクは、スリランカだけのものではない。 国際的な海上輸送の一つの拠点でもあるスリランカは、混乱の広がりによって国家としての体裁を保てない「破たん国家」に近づいている。これは世界に広がる政治・経済のリスクの氷山の一角といえる。 コメ価格が6倍以上に ウクライナ戦争に注目が集まるなか、南アジアのスリランカでも危機が深刻化している。 スリランカでは急速に物価が上昇しており、3月には18.7%のインフレ率を記録した。その結果、通常1kgでおよそ80ルピー(約32円)のコメが、4月には500ルピー(約200円)にまで値上がりした。 これに並行して、電力不足で1日10時間以上も停電が続き、医薬品な