古墳近くの納骨堂で10年ぶりに行われた被葬者の慰霊祭 ■ 3月22日付けの産経新聞や奈良新聞のインターネット版は、明日香村平田にある高松塚古墳近くの納骨堂で前日行われた慰霊祭の様子を、写真入りで報じていた。10年ぶりの慰霊祭だそうだ。筆者は古墳の近くに納骨堂があることも、そこで慰霊祭が行われることも知らなかったので、興味深く記事を読んだ。 ■ 筆者の記憶では、昭和47年の発掘当時石室内で発見された被葬者の骨は、鑑定結果、熟年男性のものと判明し、専門家諸氏から被葬者を推測するさまざまな説が出された。しかし、被葬者が誰だったかは、今に至るも特定されていない。そんな状況の中でも、慰霊祭が行われてきたとは驚きだった。 ■ 発見された遺骨は桜井市の長谷寺にいったん預けられたが、村民らが「古墳と離すべきではない」と要望し、古都飛鳥保存財団が納骨堂を建ててそこに納めた。慰霊祭を催したのは、関武氏が会長を