前に沢庵禅師こと沢庵宗彭を紹介する記事を書きましたが、沢庵禅師の「剣禅一如」の境地を示す面白い話として、講談「沢庵禅師 虎拝領」にもなった逸話があります。 もう一つ、家光が沢庵禅師を試すために大砲の音で沢庵禅師を驚かそうとしても失敗に終わった逸話もご紹介します。 1.沢庵禅師が虎を手なずけた逸話 その昔、沢庵禅師が虎の檻の中に平然と押し進み 恐れずに其の虎を見詰めしとき、虎は首を俯垂(うなだ)れて猫のごとく優しくなれりと謂うにあらずや。 3代将軍・徳川家光の時代に、朝鮮から大きな虎が献上され、城中大評判になっていたそうです。家光は、突如「柳生!あの虎の檻へ入ってみよ」と命じました。宗矩は脇差を抜いて切っ先を虎の眼にピタリとつけ、ぐっと睨みつけました。虎を気合で、萎縮させてしまったのです。宗矩は檻を飛びのくとすばやく戸を閉めました。 神君家康公の『意見番に大久保彦左衛門、人の道は沢庵に教われ