日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。そのカウントダウン企画として、過去の記事の中から、人気シリーズ企画「誤算の研究」を毎日掲載していきます。企業戦略の現実は理論書の通りには進みません。戦略の本質は、むしろ誤算の中に隠れています。その後の成長を確実なものにした企業あり、再編の渦に巻き込まれて消滅した企業あり、ケーススタディーの対象は様々です。記事に描かれているのは過去の出来事とはいえ、時代を超えた企業経営の指針が読み取れるはずです。 今年2月8日の深夜12時すぎ、神戸市にある田嶋英雄ミノルタカメラ社長の自宅の電話が鳴り響いた。米国ミノルタ・コーポレーションの社員から「評決はクロです。約120億円の支払い命令が出ました」との報告。田嶋社長は思わず息をのんだ。 米国ハネウエル社との自動焦点(AF)技術などをめぐる5年にわたる特許裁判は事実上、ハネウエルに軍配が上がった。ハネウ