12月10日には、2019年度のノーベル賞授賞式が執り行われる。 © Nobel Media. Photo: Alexander Mahmoud 12月10日、ストックホルムでは、2019年度のノーベル賞の授賞式が開催される。 2010年代は毎年のように日本人研究者がノーベル賞を受賞してきた。 一見、日本の科学技術力の高さが際立つ10年間だったように感じるかもしれないが、ノーベル賞を受賞した研究者たちが基礎研究に対する投資の少なさや、若手研究者のポスト不足、博士課程へと進学する学生の減少を憂う発言をこぞってするなど、日本の科学技術力の先行きの危うさが垣間見えた10年間でもあった。 一連の課題は、全てつながっている。中でも、博士課程への進学者数の減少は、研究人材の減少、ひいては研究力の低下に直結した問題だ。 減少する研究者、その根幹に不透明な将来への不安 令和元年に発表された科学技術白書によ