米大統領選の共和党候補に手を挙げるドナルド・トランプ氏が次期大統領になることはあるのか―。 今年11月8日に行われる本選挙で「トランプ大統領」が誕生する可能性がでている。民主党寄りの有権者でさえもトランプ支持に回るのがイマの米国である。いったい何が起きているのか。 大統領選を追う専門家らは過去数カ月、トランプ氏の人気の理由を探ろうと懸命になってきた。というのも、ほとんどの専門家は昨夏から秋にかけて「トランプ人気はいずれ落ちる」と予想していたが外れたからである。 恥ずかしながら筆者もその1人。昨年9月末まで、トランプ氏は年明けまでもたないと読んでいた。過去の大統領選を振り返ると、暴言を1度口にしただけで消えていった候補が何人もいたからだ。 ところがトランプ氏は不法移民やイスラム教徒に対する差別的発言を繰り返しても、その支持率が落ちなかった。というより、逆に、暴言や失言を前に進むエネルギーに変