前編「マインド・マップの基本と応用」の最後で、マインド・マップとUMLを融合させるというアイデアに触れました。その中で、発散と収束という思考活動の分類を紹介しました。 思考の発散・概念の収集過程(要求ギャザリング)では、マインド・マップを用い、思考の収束・概念のモデル化過程(要求モデリング)では、UMLを用いる。 しかし、実際にマインド・マップとUMLをどう使い分けて、どう連携させていけばいいのでしょうか。役割分担としては、マインド・マップを使って情報を書き留め、UMLを使ってそれを整理するということになります。しかし実際の手順を見てみないことには、イメージがわきにくいでしょう。また、UMLはツールを使って描くことが多いですが、ツールの使い勝手も考える必要があります。 そこで後編では、マインド・マップでお客さんとの打ち合わせの議事録を取り、その結果をUMLダイヤグラムにまとめていく流れを具
マインド・マップをご存じでしょうか? 最近、日本でも新しい「メモ技術」として注目されるようになってきた記法です。この記事では、このマインド・マップという記法が、ITの現場でうまく使えないだろうか、というアイデアを紹介します。特に、IT分野で標準化されているUMLをうまく補完するツールとして、要求分析という上流工程をまず取り上げたいと思います。 「顧客の言葉を集めること」の難しさ ITシステム開発において要求分析を行う場合、現在ではUMLを使ったオブジェクト指向による概念モデリングや、ユースケース分析が主流になってきています。しかし、UMLには強い制約(記法の意味と文法)があり、誰でもすらすらとまとまるものではありませんね。特に、顧客へのインタビューを行う場面では、その場でUMLにまとめるというのは至難です。そこで、顧客との対面場面ではとにかく「顧客の言葉を集める」ことに徹し、それをメモ(イ
3.マインドマップの応用例(続き) 前編「マインドマップで『伝わる』プレゼンを」では、マインドマップの基本ルールを説明したうえで、応用としてプレゼンテーションにおけるマインドマップ活用例を示しました。後編に当たる今回は、よりITエンジニアの皆さんの仕事に関連の深い応用事例を紹介します。 3.2 WBS作成 WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトマネジメントで計画を立てる際に用いる手法の1つです。プロジェクトの成果物を中心に置き、成果物を作るために必要な作業をその下層に配置することで、プロジェクトの構成要素を細分化していきます。ツリー構造の下層にいくに従って、より詳細な作業が定義されます。細分化された個々の部分を構成する一連の作業のことを、通常「ワークパッケージ」と呼びます。 WBSの作成方法はいろいろですが、1つの方法として、「すべてのワークパッケージ
1.マインドマップとは何か マインドマップとは、ロンドン生まれのビジネスコンサルタント、トニー・ブザン(Tony Buzan)氏が1970年代の初めに発案、提唱した「ノート記法」です。ビジネスの現場で新しいことを生み出す力が求められる中で、発想法の1つとしても非常に注目されています。 実はあのビル・ゲイツ氏も、次世代の発想ツール、ナレッジツールとして注目していましたし、古くはレオナルド・ダ・ビンチのような偉人のスケッチにも、マインドマップの表現方法が活用されていました。 読者の中には、「マインドマップという言葉は聞いたことがあるけれど、実際に書いたことはない」という人も多いのではないでしょうか。 マインドマップはあくまでもノート記法の1つではあるのですが、通常のノートの取り方と違い、次のような特徴と利点があります。 中心から放射状に重要な事項を書き連ねるので、読みやすく理解しやすい 議事録
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