韓国が経済小国から世界第5位の輸出大国へと成長した背景には、肥大化した家族経営のコングロマリットの存在がある。韓国の「奇跡の経済発展」を長期間にわたって支えた「チェボル(財閥)」として知られるこれらの企業グループは、LGや現代、SK、ロッテ、そして最大のサムスンなどだ。だが、強すぎる影響力と政府との蜜月が大統領をも巻き込んだスキャンダルで顕在化したことにより、多くが世代交代の過渡期にあるこの時期にチェボルに強烈なスポットライトが当たっている。チェボルも変革の時を迎えたのか。 現状 韓国の贈収賄スキャンダルは大統領の罷免とサムスングループの事実上のトップ、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長の逮捕・起訴につながった。李副会長は、朴槿恵前大統領の友人である崔順実被告の利益のためにサムスンが行った数千万ドルの支払いに関与したとされる。2015年にサムスングループ企業2社の合併という物議を醸し