戦前・戦後の標準語励行の実態について① 戦後70年、節目の年である。過ぎし20世紀は科学技術の著しい発達により豊かな生活を享受した反面、日清、日露戦争、第1次世界大戦、十五年戦争、太平洋戦争が示すように戦争に明け暮れた文字通り殺戮(さつりく)の世紀であった。中でも国内で唯一の地上戦に巻き込まれたわが県は鉄の暴風にさらされ、多くの尊い人命を失った。犠牲になられた同胞に哀悼の意を表します。 それにしても、この地上戦に関わるおびただしく生々しい証言や米国の実戦のすさまじい映像を目にしたとき、胸の張り裂ける思いがこみあげ、何ともし難い苦痛を覚え、物憂い日々を過ごすこの頃である。 この戦争でわが故里は焦土と化したが、先人等が日常的に使っていた方言までも持って行かれたと嘆く御仁もおられる。 明治12(1871)年の廃藩置県後、日清戦争(明治27年)に勝利を収めた後も近代化の波が押し寄せ、大和風の風俗に