とある男の話。 男は音楽が好きだった。 日々アンテナをはって、素敵な音楽を探していた。 ある日、ラジオから流れてくる音に感銘を受けた。 これは素敵なバンドを見つけた、と思った。 BUMP OF CHICKEN? インディーか? 聞いたことの無いバンドだ。 でもこのバンドはいつかメジャーになるだろう、と確信めいた感覚があった。 それからと言うもの、男は会う人会う人にBUMPを勧めた。 「最近良いバンド見つけたんだよ!」 「ふーん。インディーズなの」 「この曲とかさぁ、最高なんだよ!」 「へー、今度聴いてみるわ」 誰も相手にしてくれなかった。 しかし男はめげずに布教活動を続けた。 こんなにも良い音楽が売れないなんて絶対間違ってる! 使命感にもかられた衝動。 ある時。 転機は急に訪れた。 「見えないものを見ようとして」 キャッチーなメロディ。 過去に想いをはせるセンチメンタルな歌詞。 天体観測。