国民生活センターは21日、訪問販売ならぬ「訪問買い取り」を巡る消費者トラブルが、昨年の約4倍に急増していると発表した。家に来た業者が宝石類を安く買いたたき、強引に奪い去っていくのが手口。クーリングオフなどを定める特定商取引法は訪問販売の規制で、買い取りには適用されないため、返品を求めてもほとんど回復できないのが実情という。 全国の消費生活センターへの訪問買い取りの相談は、2009年度の137件に対し、10年度は11月末で538件と急増。約7割が60歳以上で、昼間自宅にいる高齢者が狙われている。 「不用な着物を買い取る」と、業者から電話を受けた兵庫県の70歳代の女性は、家に来てもらったところ、業者は「貴金属の鑑定もしてあげる」と言い、女性が身につけていた母親の形見の指輪を無理やり外しにかかったという。ほかのものも見せるよう脅され、合計10万円ほどした宝石類3点を見せた。すると業者は170