日本では社会保障費の負担増が社会問題化しており、その中でも医療費の適正化をどのように達成するのかが議論されています。その中で、最近では、高額療養費制度の自己負担の上限の引き上げが案として浮上しており、社会的弱者である重病患者およびそのご家族に経済的負担を押し付ける改悪であるとして、国民から多くの非難の声が上がっています。 高額療養費の自己負担の上限の引き上げは悪手 私も以前の記事でお書きした通り、高額療養費の自己負担の上限の引き上げは悪手であり、やるべきではないと考えます。 そもそも医療保険というのは、①予測困難な健康上の問題で、②健康上の問題が起きたときに高額の医療費がかかる、という2つの条件を満たすリスクを減らすことが目的です。 この原則から考えると、高額療養費制度こそが日本の医療保険の根幹であり、それを弱体化させることは、医療費が払えずに治療を諦める人や、医療費の支払いのために自己破
