私は今まで料理本を読むことはあっても、それに載っている料理を作ることはなかった。本書は、どこが違ったのだろうか。ひとつの理由として、Sandor Katzが情熱を込めて書いている発酵の変成パワーの説明があまりにも説得力があるので、どうなるか試してみたくなってしまうからだ。私が小学生のころ、酢と重曹を混ぜるとすごいことが起こるよ、と先生が教えてくれた時の気持ちに似ている。微生物による変成作用は実に驚くべきものだし、その結果として平凡な食材から我々人間ではなくバクテリアや菌類が作り出す、新たな風味や興味深い食感なども多くの場合、驚くべきものだ。 —「序文」より、マイケル・ポーラン(『雑食動物のジレンマ』『人間は料理をする』著者) ●書籍紹介文 本書は、発酵の基本と多様な発酵食品の製法を、野菜、ミルク、穀物、豆類、肉、魚などの食材別に解説した書籍です。さまざまな文献や各地の発酵愛好家から寄せられ