ウナギが漁獲量の激減に伴う価格高騰で“高値の花”になる中、自ら釣って食べるのが、ひそかなブームになっている。海での産卵を控えた梅雨時期から秋にかけて都市部も含め河川でよく釣れるという。ただ、今年2月には国の絶滅危惧種に指定。漁業法に基づき禁漁期間を設けているのは、稚魚シラスウナギの漁獲量上位の宮崎、鹿児島両県にとどまる。専門家は「シラスウナギを産む大事な資源であり、自粛してほしい」と訴える。【野呂賢治】 今月26日午後9時過ぎ、福岡市中心部を流れる那珂川の河口付近。護岸には釣りざおが30本以上並んでいた。九州最大の歓楽街・中洲のネオンを横目に、ウナギを狙う男たち。この時期、毎日のように見られる光景だ。 ウナギは夜行性のため、釣れるのは主に夕方から深夜にかけて。特に薄暮の時間帯が釣れやすいという。餌はミミズやアサリなど。3年前からウナギ釣りを始めた福岡市中央区の板前の男性(61)によると