人間は、狡猾な秩序をぬってあるきながら、革命思想を信じることもできるし、貧困と不合理な立法をまもることを強いられながら、革命思想を嫌悪することも出来る。自由な意志は選択するからだ。しかし、人間の状況を決定するのは関係の絶対性だけである。ぼくたちは、この矛盾を断ちきろうとするときだけは、じぶんの発想の底をえぐり出してみる。そのとき、ぼくたちの孤独がある。孤独が自問する。革命とは何か。もし人間における矛盾を断ち切れないならばだ。 吉本隆明『マチウ書試論』 とまあ、ちょっと頭良さ気な引用から始まった今日のエントリですが、こういうことを書きたくなる日もあるってことで、付き合ってやろうという心の広い方は、気軽にお付き合いの程を。 この『マチウ書試論』を吉本隆明さんが書いたのが1952年(昭和27年)。当時は、まだ印刷インキ会社の一技術者だったそうです。吉本隆明さんと言えば、共同幻想や対幻想などの概念