企画に参加させてもらいます: 【第6回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - 短編小説の集い「のべらっくす」 『女子校生三人が鴨川で花見』 ナオは小学生や小さい子供にはたいそう優しかったが、自分より年上の大学生とか、社会人とか、老人に対しては全く敬意がなかった。今日も色々な世代の皆が花見をしている鴨川で、酔っ払った大学生を見つけてはおしりを蹴ったり彼らのおつまみを奪ったりしていた。もちろん悪戯をされた側も反撃しないわけはなく、お昼の2時を過ぎた頃にはケチョンケチョンにやられて、木陰で橙子(とうこ)に膝枕で介抱されていると言う有り様だった。 「世界がサクラ色だわ」 「それあなた目尻が切れて血が出てるのよ」 彼女らは朝の九時半から花見をしに鴨川へ集まって三人で酒盛りをしていた。三人というのは同じ学校に通っている三人で、橙子とナオ、そしてミッチーこと美奈。ミッチーは30分以上前から二人の後ろで