新しい本が出た。日本評論社のシリーズ「地球と人間の環境を考える」の第11巻で、『食の安全と環境「気分のエコ」にはだまされない』だ。 農薬や化学肥料、地産地消や有機農業、遺伝子組換えなど多岐にわたる話を書いているが、次の2つの疑問が、大きな柱になっている。 (1)環境を守る食料生産というと常に、農薬を減らせ、化学肥料を減らせ、となるが、それは本当か? 現在の農薬や化学肥料の真実は? (2)「食の安全・安心」と「環境を守る」は両立するように語られるが、それはウソではないか? 過剰な安全・安心こそが、環境負荷を大きくし、エネルギー消費を増大させ、「持続可能な食料生産」の大きな妨げとなっているのではないか? 今、環境を守ると称して行われていることは、表面上は効果があっても多くの場合、トレードオフにより別の環境影響が生じている。安全・安心策は、別のリスクを発生させている。そして、安全・安心策が、環境