政府が推進する次世代スーパーコンピュータ・システムのプロジェクトからNECと日立製作所が撤退する(関連記事1、関連記事2)。独立行政法人の理化学研究所はどのように考えているのか。NEC出身で、2006年に文部科学省を退官して理研の次世代スーパーコンピュータ開発実施本部のプロジェクト・リーダーに就任した渡辺貞氏に聞いた。(聞き手は島田昇=日経コンピュータ) NECと日立がプロジェクト半ばで撤退する。 国家プロジェクトに参加しておいて、(途中で投げ出すのは)いかがなものかと思う。残念だ。NECの決断により同じく撤退することになった日立からも、残念だと聞いている。 NECから製造撤退の打診を最初に受けたのは、ゴールデンウィーク前のこと。正直、非常に驚いた。国家レベルの重大な話なので何度も確認をしたが、NECの意思は変わらなかった。結果、5月13日に東京・丸の内の理研オフィスを訪れたNECの矢野薫