ふたりが住むマンションの部屋はセット、外観はスタッフが住むマンションを借りて撮影された。「部屋の外観のロケハン前に、僕が台本を読んで勝手に描いたペントハウス風の間取りが採用されました。いろんな機能スペースを作ったので、リアリティのある間取りではないんです。でも、そこを面白がってくれるのが黒沢監督なんです」。 部屋は無機質で近未来的な印象。スタイリッシュな家具を置くことで、現実と仮想の境目を曖昧に見せることに成功している。「装飾も含めて僕が提案しました。それを元に家具などは装飾部のスタッフが準備してくれたものです」。 主人公の職業は漫画家。作業スペースにはキャラクターを反映した工夫が見られる。「漫画家の主人公のワークスペースは、大きな窓に向かって光のたくさん入る場所。隣にはアシスタントの席。ふたつの違いを出すために、アシスタントの机周りに作業用の漫画を貼ったり、窓を小さくするなどの変化をつけ