米メキシコ湾で作業員11人が死亡した4月20日の海底油田掘削施設爆発事故から間もなく2カ月になる。拡大する一方の汚染を、米メディアは連日大きく報道。止まらぬ原油流出の背景に、利益優先で安全対策を軽視してきた英石油メジャーBPの体質が次第に明らかになっている。【ロサンゼルス吉富裕倫】 ◇工期遅れ焦り 「構うものか。もう決めたんだ。多分大丈夫だろう」。事故直前の4月15日、掘削の仕上げの作業を簡素化したBPの技術者によるメールのやり取りが問題になっている。 当時、石油サービス会社のハリバートン社は、掘った穴に通したパイプを、セメントで固定するため、特殊資材を21本使うよう提案。ところが、BP側は工期の遅れを気にし、21本の設置にはさらに時間がかかるとして6本に減らし踏み切った。 事故の一因には油井からの強いガスの噴出が指摘され、ガス噴出を抑え込むのに頑強なパイプの固定化が求められていた。米下院