土葬されたイスラム教徒たちが眠る墓地で祈る日本ムスリム協会名誉会長の樋口美作さん=山梨県甲州市塩山牛奥の文殊院山中にある墓地建設予定地の手前に立つ建設反対の看板=栃木県足利市板倉町 日本に住むイスラム教徒の間で墓地不足が深刻だ。土葬のため、地域住民から理解を得られず、行政の許可がなかなか下りない。土葬に嫌悪感を抱く人が増えたのと、2001年の9・11テロの影響でイスラム教徒への偏見が強まったためという。外国人が約10万人、日本人が約1万人と推計される国内イスラム教徒の多くが日本で永眠の地を求めている。 「新墓地建設 絶対反対!」。栃木県足利市板倉町の小高い山の入り口を看板が囲む。200メートルほど入った所に、東京都豊島区南大塚にモスク(イスラム礼拝所)を置く宗教法人日本イスラーム文化センターが墓地を作ろうとしている。 同センターは2008年春、板倉町の住民に墓地建設について説明した。