京都大が所有者から土地の使用許可(地上権)を得て運営していた和歌山研究林(和歌山県有田川町)が今月18日、99年ぶりに所有者に返還された。当初は人工林の研究などが行われていたが、時代とともに動物の生態や環境分野にも研究対象が拡大。京都大は土地を取得していた事務所を拠点に、所有者と新たな提携協定を結んで今後も教育や研究の場として研究林の利用を続ける。所有者の男性は「引き続き活用してほしい」としている。 99年間の許可「教育研究活動に多大な貢献をいただき誠に感謝しております」。返還に先立って昨年11月、有田川町で行われた記念イベント。京都大で和歌山研究林を管轄したフィールド科学教育研究センターの館野隆之輔センター長から、土地を所有する海瀬(かいせ)隆太郎さんに感謝状が手渡された。 大正15年1月19日、土地の所有者で林業を営んでいた海瀬定一さんと当時の京都帝国大学が契約を結び、564・5ヘクタ