北大西洋に浮かぶ島国、アイスランドでは、北海道と四国を合わせたほどの国土に、約30万人が暮らす。火山が多いから、温泉も豊富だ。漁業が盛んで、伝統的な捕鯨文化も残る。日本からは地理的には遠いものの、なんとなく親しみが持てる国でもある。 ▼首都レイキャビクの名が世界に知れ渡ったのは、1986年、当時のレーガン米大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長が、首脳会談を行ったときだ。2人は、戦略防衛構想(SDI)問題で決裂、冷戦の最後の火花を散らした。 ▼80年代から始まった、政府の規制緩和政策のもとで、銀行は高利息で国内外から資金を集め、業務を急速に拡大していく。かつて、欧州最貧国といわれていた国が、いつのまにか、1人当たり国内総生産(GDP)が世界トップクラスとなっていた。 ▼そのアイスランドが、2年前の10月、再び世界の注目を集めることになる。米国発の金融危機の直撃を受け、バブルが破裂し、自国通