コンラッド・N・ヒルトンは、誰もが知るヒルトンホテルチェーンを一代で築き上げた伝説の「ホテル王」だ。その名前を聞くと、お騒がせセレブとして話題を振りまくパリスとニッキーの「ヒルトン姉妹」が思い浮かぶ人もいるだろうが、2人はコンラッド・ヒルトンの曽孫にあたる。長男コンラッド・N・ヒルトン・ジュニアも、17歳だった女優のエリザベス・テーラーを見初めて結婚するも、わずか7カ月で離婚するなど、芸能ゴシップを騒がせたプレイボーイだった。 そんな子孫たちの華やかで自由奔放な生活とは対照的に、ヒルトンの人生は苦難の連続だった。大恐慌に巻き込まれたヒルトンは、経営していた8つのホテルすべてを瞬く間に失い、「破産状態」になってしまったのだ。 「あの1930年代の大恐慌が、私の生涯をかけた事業を、いくらかの成功の小山の上から、借金、屈辱、そして抵当の底なし地獄へと突き落としたのだった」と、ヒルトンは後に自伝に
