「犯罪者である彼あるいは彼女にも我々同様に人生があり、そして罪を犯した理由が必ずある。その理由を解明することはまた、被害者のためにもなるのでは?」こんな考えを胸に、犯罪学者で元警視庁刑事・北芝健が、現代日本の犯罪と、それを取り巻く社会の関係を鋭く考察! ここ数ヶ月、俳優の中村俊太が大麻所持、元グラビアアイドルの小向美奈子が覚せい剤取締法違反でそれぞれ逮捕されるなど、芸能界のドラッグ絡みの事件が相次いでいる。私自身は芸能人ではないが、仕事がらテレビに出演することもあり、芸能人の友人も少なくなく、彼らから業界に蔓延するドラッグにまつわる話を耳にすることがある。 日本の芸能界が闇社会と不即不離の関係にあるということは、暗黙の事実として多くの人が承知していることであると思うが、これは闇社会から芸能界が一方的にたかられているということではなく、ある種の相互補助の関係の上で成り立っていると考えられる。