避難所にいた人たちにとっては見たこともない料理だったので、「こんなの食べられないよ」と吐き捨てるように言った人もいたけれど、ジジガルナシュは日本のすいとんに似ていることもあって「とてもおいしかったです。もう一杯ください!」とおかわりする人も結構いたので、私はうれしくなった。 チェチェン人から受けた暖かい「おもてなし」 なぜ、チェチェン料理なんていう、珍しいものを作ったのかって? それは、私は学生時代ずっとチェチェン戦争の犠牲になっている人たちを支援してきただけではなく、彼らと助け合って生きてきたからだ。戦争で命からがら欧州に亡命してきたチェチェン人や、戦争が終結していない状況でも、チェチェンに踏みとどまって暮らす人々がいたが、いつも彼らの温かい「おもてなし」を受けてきた。 日本にも大勢の「避難民」が生まれた3・11。私は3・11当時、グルジアにあるボロボロのチェチェン人難民キャンプにいた。