ここやここで触れたように、「夏のあらし!春夏冬中」では新房昭之監督のテクノポップ・ミュージックへの愛情に溢れた小ネタがいくつか登場しているのですが、第12話の「レーダーマン」は、シリーズの中でもその傾向が最も色濃く出たエピソードだったと思います。備忘録として、元ネタとの比較を絡めつつ、簡単な感想文を書いておきたいと思います。 ■戸川純「レーダーマン」へのこだわり先ず第12話でサブタイトルに引用されている「レーダーマン」ですが、これは戸川純の同名曲から拝借をしています。 <戸川純 / レーダーマン> 戸川純といえば、80年台のアンダーグラウンド・ミュージック、テクノポップシーンの中心人物であったミュージシャンの一人です。勿論、戸川純は凄くメジャーなミュージシャンですし、ビッグネームではあります。ただ、その音楽の特殊性や、特異なキャラクターから、歌謡曲とかJ-POPとかそういった一般の音楽シー