雪乃は典型的な依存ヒロインだ。主人公・修の従妹にあたる、“純白の少女”である。 親族にも社会にも裏切られ続けてきた主人公は、「雪乃だけは汚れを知らぬ存在であって欲しい」という屈折した願望を持っている。彼女を自宅に囲い、純粋培養で育てようとするのだ。ただ主人公のみを信じ、主人公のみを愛する存在であるようにと。 しかし主人公は不安でたまらない。雪乃は本当に自分だけを見ているのか? いつか自分から逃げようとするのではないか? 狂おしいまでの他者不信に駆り立てられた主人公は、わざと他の女を自宅に連れ込むようになる。雪乃の目の前で、ことさらに情欲に耽って見せるのだ。雪乃が嫉妬すればするほど、それは主人公を愛していることの証明になる。嫉妬心から、虚ろな涙を流す雪乃。そうすることでしか、彼女からの愛を実感できない主人公。こうして全てが病んでいく。 作品内のルートの一つでは、“美佳”というOLが嫉妬