「耐震シェルター」の効果を確かめる実験の様子。建屋が倒壊してもシェルター内部は守られる(一条工務店提供) 30年以内に70%以上の確率で発生すると予測されている「南海トラフ巨大地震」。8月には初めて南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表され、太平洋側の広い地域が不安に包まれた。南海トラフ巨大地震が発生すれば、静岡県内はほぼ全域で甚大な被害が想定され、住民や自治体の地震対策が進む。住宅の耐震化とともにいま注目されているのは、「耐震シェルター」の導入だ。 全国10県151市町村が震度7太平洋に面して長い海岸線を有する静岡では南海トラフ巨大地震の発生時、最大30メートルを超える大津波の襲来が予測されている。駿河湾沿いの漁港や海浜公園などを訪ねると、随所に津波避難タワーが目に入る。長らく津波の脅威と闘ってきた歴史がうかがえる。 しかし、恐ろしいのは津波だけではない。津波の前に発生する強い揺れ