【ムンバイ=田原徳容】中国の新しい旅券(パスポート)に中国が領有を主張する南シナ海全域などの地図が記載されていた問題に関連し、インド政府は25日、印中両国が領有権を争う国境地域が旅券の地図上で中国領とされているとして、中国人に対してはインドが領有を主張する地図が押印されたビザを発行する「対抗措置」を始めた。 インドと中国は50年前の1962年、国境線の確定を巡って武力衝突が拡大し、中印紛争に発展した。 新旅券では、インドが実効支配するアルナチャルプラデシュ州と、中国が実効支配するアクサイチン地方がいずれも中国の領土として記載されている。インドのクルシード外相は「受け入れられない」と不快感を示した。