最近、奥会津を訪れる機会があり、地元の方から冬の雪下ろしが深刻な問題であるお話を伺った。雪下ろしができない高齢者も増えている。業者に頼むと1回1万円以上の費用がかかり、経済的に余裕のない世帯では容易に頼むこともできない。また、雪下ろしの人手も不足している。 1年間に雪害で亡くなった方は111人(平成23~25年の平均)だ。そのうち雪下ろし作業中の事故による死者は81人、うち65歳以上の高齢者が59人。自然災害の死者数は年間200人前後であるが、雪下ろし作業の死者数111人はこれに届きそうな数字である。今後、異常気象の増加と住民の高齢化が進むことを考えれば、対策を講じなければ増加することは間違いない。 除排雪に関する地方交付税は平成26年度1,900億円と過去最高になった。その大半は道路の除雪費用であるが、雪下ろし作業中の死亡事故の増加を憂慮した総務省は、3月の特別交付税で高齢者の雪下ろし支