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ASCII Power Review 第274回

14万円台から買えるのも魅力です

インテル新CPU「CoreUltra 200H」搭載で16コアなのに17時間駆動=「ASUS Zenbook 14 OLED」実機レビュー

2025年03月04日 10時00分更新

文● 写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

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 ASUSは、「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」を採用した14型モバイルノートPC「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」を発売した。

 200Hシリーズは薄型・軽量ハイパフォーマンスノートPC向けのプロセッサー。ベースパワーは28Wまたは45Wで、高性能なPコア、省電力なEコア、さらにEコアよりも消費電力が低いLPEコアが組み合わされており、パワーとスタミナ性能を両立している。

 今回は、200Hシリーズの中間に位置する「Core Ultra 7 255H」搭載機をASUSから借用したので、基本スペックや使い勝手をチェックしたあと、他プロセッサー搭載機との性能差を比較しよう。

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

ASUS「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」14万9800円~21万9800円

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

200Hシリーズは内蔵GPUに「インテルArcグラフィックス」を採用。高いグラフィックス性能を期待できる

「Core Ultra 9 285H」搭載最上位機でも
21万9800円と比較的安価
 

 「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」はOSに「Windows 11 Home 64ビット」、プロセッサーに、CES2025で発表となった最新のArrow Lake-H「Core Ultra 5 225H」/「Core Ultra 7 255H」/「Core Ultra 9 285H」を採用する。

 「Core Ultra 5 225H」は14コア14スレッドで20-115W、「Core Ultra 7 255H」は16コア16スレッドで20-115W、「Core Ultra 9 285H」は16コア16スレッドで35-115Wというスペックで、「Core Ultra 200V」よりコア数が多く、消費電力も大きく、メインメモリーは内蔵ではないので128GBまで接続可能だ。

 メモリーは16GB/32GB(LPDDR5X-7467)、ストレージは512GB/1TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。

 ディスプレーは1920×1080ドット(60Hz)と2880×1800ドット(120Hz)の14型OLED(16:10)を用意。どちらもマルチタッチ操作に対応している。

 オフィスアプリは、「なし」、Microsoft 365 Basic+Office Home & Business 2024、WPS Office 2 Standard Editionの3通りから選択可能。定額制ゲームサービス「PC Game Pass」の3ヵ月利用権は全モデルに含まれる。

 本製品には、プロセッサー、メモリー、ストレージ、ディスプレー、オフィスアプリ、カラーの異なる下記の11モデルが用意されている。

☆Core Ultra 9 285H
・「UX3405CA-T3U9321BLW」(21万9800円)
 32GB/1TB/2880×1800ドット(120Hz)/オフィスなし/ボンダーブルー
・「UX3405CA-TU9321BLW/SIW」(19万9800円)
 32GB/1TB/1920×1200ドット(60Hz)/WPS Office 2/ボンダーブルーまたはフォギーシルバー

☆Core Ultra 7 255H
・「UX3405CA-TU7161BLWS」(20万9800円)
 16GB/1TB/1920×1200ドット(60Hz)/MS Office/ボンダーブルー
・「UX3405CA-TU7325BLW/SIW」(18万4800円)
 32GB/512GB/1920×1200ドット(60Hz)/WPS Office 2/ボンダーブルーまたはフォギーシルバー
・「UX3405CA-TU7161BLW」(17万9800円)
 16GB/1TB/1920×1200ドット(60Hz)/WPS Office 2/ボンダーブルー
・「UX3405CA-TU7165BLW/SIW」(16万9800円)
 16GB/512GB/1920×1200ドット(60Hz)/WPS Office 2/ボンダーブルーまたはフォギーシルバー

☆Core Ultra 5 225H
・「UX3405CA-TU5165BLW/SIW」(14万9800円)
 16GB/512GB/1920×1200ドット(60Hz)/WPS Office 2/ボンダーブルーまたはフォギーシルバー

 ほかのスペックは共通。インターフェースは、Thunderbolt 4(40Gbps、映像出力、Power Delivery対応)×2、USB 3.2 Gen1 Type-A(5Gbps)、HDMI、3.5mmコンボジャックを用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポートしている。

 本体サイズは312.4×220.1×14.9mm、重量は約1.28kg。75Whのリチウムポリマーバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は動画再生時で約8.5時間、アイドル時で約16.4時間と謳われている。

 Core Ultra 9 285H/32GB/1TB/2880×1800ドット(120Hz)というハイエンドモデル「UX3405CA-T3U9321BLW」でも21万9800円、14万9800円のローエンドでもCore Ultra 5 225H/16GB/512GB/1920×1200ドット(60Hz)/WPS Office 2というスペックが確保。円安のなか、リーズナブルな価格設定と言えるだろう。

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

ボディーはオールメタル製で軍用規格「MIL-STD-810H」に準拠。カラーはフォギーシルバーとボンダーブルーの2色を用意

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

本体底面にはDolby Atmos対応のステレオスピーカーを内蔵

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

ディスプレーは最上位モデルのみ14型OLED(2880×1800ドット)を装備。試用したモデルは14型OLED(1920×1200ドット)を搭載

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

キーボードは84キーの日本語配列。キーは静音仕様で、タッチパッドは防指紋加工が施されている

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

本体前面と本体背面

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

右側面にはThunderbolt 4×2、3.5mmコンボジャック、HDMI、左側面にはUSB 3.2 Gen1 Type-A(5Gbps)を用意

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

ディスプレーは最大180度まで展開可能

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

パッケージには本体、65W ACアダプター、説明書類が同梱

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

ACアダプターのコード長は実測200cm

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

ACアダプターの仕様は、入力100-240V~1.5A、出力5V 3A、9V 3A、15V 3A、20V 3.25A、5-21V 3.25A、容量65W

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

本体の実測重量は1288g

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

ACアダプターの実測重量は213g

Copilot+ PCの要件は満たさないが
AI機能は一部利用可能
 

 「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」が採用している「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」は、CPU、GPU性能は高いが、NPU「Intel AI Boost」は13TOPS。Copilot+ PCの「40TOPS以上のNPU」という要件を満たしていない。

 それでも生成AIアシスタント「Copilot」、画像を生成する「Image Creator」(プレビュー版)、ウェブカメラの映像に効果を加える「スタジオ効果」、アプリの音声を文字起こしする「ライブキャプション」などを利用可能だ。

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

Copilot+ PCの要件を満たしていなくても、Copilotキーは搭載されている

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

Copilotに「Zenbookを使っている侍の画像を作成してください」と指示した結果がこちら。さすがに天面にロゴは書かれていないが、Zenbookっぽいデザインだ

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

画像を生成する「Image Creator」。まだプレビュー版のためか、「車の画像」と指示したのに、「アニメ」というスタイルに引っ張られ、アニメキャラっぽい女性がメインの画像も生成されている

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

ウェブカメラの映像に効果を加える「スタジオ効果」は、Copilot+ PCのほうがきめ細かな設定が可能だ

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

アプリの音声を文字起こしする「ライブキャプション」は、今回はなぜか正常に動作しなかった。近日中にアップデートなどで修正されると思われる

 84キーの日本語配列キーボードは、キーピッチが19mm、キーストロークが1.7mm。キーキャップには0.2mmの凹みが設けられ、キースイッチは静音仕様となっている。

 キーボードパネルが英語キーボードなどと同一規格のため一部キーが密着しているが、「\」キー以外のすべての文字キーは等幅に揃えられている。慣れればフルスピードでタイピングできるキーボードだ。

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

キーピッチは19mm

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

キーストロークは1.7mm。キーキャップは0.2mmの凹みが設けられている

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

キーボードバックライトは明るさを3段階に調整可能

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

タッチパッドは実測130×74mm

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

ディスプレーは全モデルがタッチ対応で、強化ガラス「Corning Gorilla Glass」でカバーされている

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

ディスプレー上部には、プライバシーシャッター付きの207万画素IRカメラを搭載。顔認証でロックを解除できる

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDRオフ)

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDR proオン)

モバイルとしては上位クラスのCPU性能
バッテリー駆動は17時間を超えた!!
 

 最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回借用したのは、Core Ultra 7 255H(16コア16スレッド、20-115W、NPU13TOPS)/32GB/512GBという仕様の「UX3405CA-TU7325SIW」(18万4800円)だ。

 比較対象機種としては、

「Core Ultra 7 258V」搭載「ASUS ExpertBook P5」
(8コア8スレッド、8-37W、NPU47TOPS)

「Ryzen Al Max+ 395」搭載「ROG Flow Z13」
(16コア32スレッド、45-120W、NPU50TOPS)

「Ryzen AI 9 HX 370」搭載「GPD DUO」
(12コア24スレッド、15-54W、NPU50TOPS)

「Snapdragon X Elite X1E-78-100」搭載「ASUS Zenbook SORA」
(12コア12スレッド、NPU45TOPS)

を使用している。

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

「HWiNFO 64 Pro」で取得したシステムの概要

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

ベンチマークは「MyASUS」の「デバイス設定→パワー&パフォーマンス→ファンモード→フルスピードモード」に設定して実施している

 まずCPU性能については、「Core Ultra 7 258V」搭載機に対して、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は161%相当の17743、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は141%相当の901となった。

 「Ryzen Al Max+ 395」搭載機には及ばないが、モバイルノートPCとしては上位クラスのCPU性能を備えている。

「インテルCore Ultra 200Hシリーズ」搭載「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405CA」実機レビュー

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は17743pts、CPU(Single Core)は2087pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は901pts、CPU(Single Core)は125pts

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