「東京駅前3地区再開発」の最後にして最大規模の「八重洲2丁目中地区第1種市街地再開発事業」が2024年8月8日に着工、同月26日に起工式が行われた。東京駅前3地区再開発とは、JR東京駅八重洲口の目の前でほぼ同時期に進んでいる3つの巨大な再開発のことだ。北側から順に「東京駅前八重洲1丁目東地区」「東京ミッドタウン八重洲」「八重洲2丁目中地区」のいずれも第1種市街地再開発事業を指す。
23年3月に、東京ミッドタウン八重洲が開業。現在建設中の東京駅前八重洲1丁目東地区はA地区とB地区に分かれ、A地区は26年、B地区は25年度の竣工を予定している。B地区では23年9月に鉄骨崩落による死亡事故があり、工事を一時中断した経緯がある。そして今回着工した八重洲2丁目中地区は、29年1月末の竣工を目指す。
事業は八重洲二丁目中地区市街地再開発組合及び鹿島と住友不動産、都市再生機構(UR)、阪急阪神不動産、ヒューリック、三井不動産の参加組合員6社で推進している。オフィスや店舗の他、劇場やサービスアパートメント、インターナショナルスクール、バスターミナル、駐車場などができる。
敷地面積は約1万9560m2、延べ面積が約38万9290m2。地下3階・地上43階建てで、高さは約227m。東京ミッドタウン八重洲の中核である「八重洲セントラルタワー」は地下4階・地上45階建てで高さ約240m、東京駅前八重洲1丁目東B地区は地下4階・地上51階建てで約250m。階数や高さは八重洲2丁目中地区がやや低いが延べ面積は39万m2近くあり、最も広いのが特徴である。
基本設計・実施設計監修及び都市計画・再開発コンサルタントは日建設計、実施設計・施工は鹿島が手掛ける。
駅前3地区の最後の1ピースとなる八重洲2丁目中地区は、東京駅と京橋・銀座方面を結ぶ回遊動線の要になる。隣の東京ミッドタウン八重洲や東京駅の地下から続く「八重洲地下街(ヤエチカ)」、そして京橋側の複合施設「京橋エドグラン」と、いずれも地下通路で接続する。
さらに、東京駅前の地下に整備している高速バスターミナルのうち、7バース(バスの乗降場)を八重洲2丁目中地区に整備する。東京ミッドタウン八重洲と東京駅前八重洲1丁目東B地区に整備するバスターミナルと一体で運用し、3地区合計で20バースとなる日本最大級の高速バスターミナルが完成する。
事業名 | 延べ面積 | 階数 | 高さ | 設計 | 施工 | 竣工時期 |
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東京駅前八重洲1丁目東地区 | 約1万2220m2(A地区)、約22万5000m2(B地区) | 地下2階・地上10階(A地区)、地下4階・地上51階(B地区) | 約45m(A地区)、約250m(B地区) | 大成建設(A地区)、大林組(B地区) | 大成建設(A地区)、大林組・大成建設JV(B地区) | 26年(A地区)、25年度(B地区) |
東京ミッドタウン八重洲 | 約28万9750m2 | 地下4階・地上45階 *1、地下2階・地上7階 *2 | 約240m *1、約41m *2 | PICKARD CHILTON INTERNATIONAL(マスターアーキテクト)、日本設計(基本・実施設計)、竹中工務店(実施設計) | 竹中工務店 | 23年3月(開業) |
八重洲2丁目中地区 | 約38万9290m2 | 地下3階・地上43階 | 約227m | 日建設計(基本設計・実施設計監修)、鹿島(実施設計) | 鹿島 | 29年1月 |