寒い季節になると、こたつが恋しくなってきます。童謡「雪」には「猫はこたつで丸くなる」というフレーズがありますが、江戸時代のネコたちはどうだったのでしょうか。今回は、こたつで丸くなっているネコたちの浮世絵をご紹介しましょう。 こちらは鈴木春信の「水仙花」。2人の男女がこたつに入っています。左の青年が、読書をしているふりをしながら、右の娘に足でちょっかいを出したようです。娘は、ちょっと腹が立ったのか、お返しにとばかり、男性の足をくすぐっています。 そんな2人の痴話喧嘩にはまったく関心を示さず、ネコがこたつの上で丸くなっています。赤い首輪をつけていますので、ペットとして大事に飼われているのでしょう。こたつの上がよっぽど快適なのでしょうか。気持ちよさそうな表情をしています。 次は、喜多川歌麿の『絵本四季花』の一図です。窓の外にはしんしんと雪が降っています。女性たちはこたつに入って、ゆっくりとした時
