「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか(水野和夫)」(参照)をようやく読んだ。先入観といえばそうなのだが、ウォーラーステインとかニューアカ系ゴマ臭さ満載なんじゃないかと引いていたのだが、実際読んでいたら柄谷行人の引用とかも出てきて引いたというか笑った。 読後、なんとも微妙。議論が多岐にわたり、ディテールと概括の遠近感が奇妙なので、ありがちなトンデモ本かなとも思った。日本のデフレの説明とかでも、「でも、それって先進国全体に適用されそうな要素だけど他は概ねインフレなんすけど先生ぇ、どっすか」みたいなツッコミがしたくなる。でもま、概ね職人技というのかわからないけど、現在進行中の米国住宅バブルの結論とかもやばげなところは結局ずばりとは書かれていない。「こ、ここでトンデモの一言をぜひ増田俊男先生!」といった趣向もない。その点は落ち着いた本と言えるのかもしれない。 それにしてもこの一種の幻惑感は