国内造船大手ジャパン マリンユナイテッド(JMU)で社長を務め、現在は次世代環境船舶開発センター(GSC、東京・千代田)理事長を務める三島愼次郎氏はこう指摘する。同氏の危機感をあおるのは、日本の造船会社による建造量が年1000万総トンを切りつつあることだ(下のグラフ)。 「最低1000万総トンはないと、造船会社で働く人員を維持できない。エンジンなどを造る舶用機器メーカーも維持できない」(三島氏)。造る人やエンジンが確保できなければ、日本で船を造ることができなくなる。 国土交通省も建造量の減少を懸念する。「日本船主の発注による建造量が日本の造船所による建造量を、2020年を境に上回っている。現在の受発注の状況を踏まえると、この傾向は今後も続くことが想定される。日本の海運会社や船主の需要を日本の造船所が満たすことができなくなれば、日本の海事クラスターの維持が難しくなる」(吉田正則船舶産業課長)
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